土に眠る少女 – 3


第三話

夢に見知らぬ女が現れた。

その女は、小奇麗だが薄暗い小学校の保健室でカウンセリングを受けている。
白いシーツできっちりとカバーされた長椅子に座り、後姿で顔は見えない。
さらに間切りの奥から低く厳格な口調の保険室の先生と、その女がぼそりぼそりと話す
会話が聞こえてくる。

小学校の保健室で交わされる大人の深刻な相談。

その場に出くわし戸惑いを覚えているうちに夢は終わった。

その数日後、今度は例の少女の夢を見た。
団地の軒下で静かに横たわっている。
ここで息絶えている理由があるかのようだ。

そう思って眺めていると、彼女の体からすっと幽体が浮き上がり、ふわふわと徘徊を始めた。
彼女の体は学校のような建物へすっと入り込んでいった。
自分もそっと後を追っかけていき、彼女の所作を息を潜めて見ている。
少女は眼帯をつけ、不自由な片目で何かを眺めている。

階段を音もなくスムーズに上っていき幾何学的なデザインの壁に囲まれた部屋へと入っていった。
自分も同じように上の階へ上って行った。

冷や汗をかきながら、ドア越しに少女を見つけると、心臓が止まりそうになった。
彼女は私を見つけ、こちらを食い入るように見つめていたのだ。

 (第四話へ)

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