インド映画「きっと、うまくいく」はインド現代版・「俺たちの旅」

この3連休、初日にロードバイクで津久井湖、相模湖、大垂水峠往復をサイクリング敢行したのだが、渋滞の道、帰りの相模湖の坂のの登りでトラックに幅寄せされ、転倒。左ひざを骨折してしまった。そこから12km,動かない左ひざで自転車を押し足り乗ったりで3時間半かけて車を止めた駐車場に何とか戻り、病院直行。当分松葉杖生活だ。
これも人生。
昨日からAmazon Primeで映画を何本か見ている。
そのうちの一つ、面白い映画を偶然見つけた。
インド映画「きっと、うまくいく」。
私は今までこの映画の存在を知らなかったが2009年公開の映画で、インド他海外でも大ヒットした映画だ。
インドは昔から映画の盛んな国で、世界中に有名な監督や俳優を排している。
この作品の監督、ラージクマール・ヒラーニも、主演アーミル・カーンも世界的に有名な人物なようだ。
映画は2時間50分と長いが、飽きることなく引き込まれていく。
何度も感動のシーンがある名作だ。

観ながら感じたのは、”これは現代版「俺たちの旅」だ!”ということだ。
背景は、インドの激烈な受験教育、就職競争の最先端の一流大学の4年生、風変わりで落ちこぼれの男3人のドラマだ。
インドのあまりに激しい受験競争、画一的な教育内容、プレッシャーのあまり自殺の多い若者、そういった社会批判を織り交ぜ、自分らしく生きることを主張する主人公と同調する2人の男学生。そして主人公の恋人のような存在の大学学長の長女の4人の物語だ。
そして最後は10年後、大学で成績優秀でその後もビジネスで成功した、在学中はこの3人を非難し続けてきた男と、3人の学生、結婚式を迎えた大学学長の娘が劇的再会をして物語は終わる。

男3人に少し距離を置いた女性一人。これは「俺たちの旅」と全く同じだ。
社会のプレッシャーを前にした就職間際の大学4年生という設定も同じだ。
10年後の再会で終えているので、これはさながら「俺たちの旅」本編とスペシャル版「十年度後の再会」を合わせた物語だ。

「俺たちの旅」を現代版でリメイクしてほしい、と思いつつも実現できないでいる。
実際、日本では1999年に「新・俺たちの旅」を放映しているが、パッとせず10話で終了している。もう中村雅俊主演でないとだめか?もう1970年代の時代背景が成しえた奇跡の作品だったのか?あるいはその両方か?と思ってしまう。
しかし「きっと、うまくいく」を観ると、どんな国のいつの時代でも、このような作品が生まれるのは可能だ、と思える。
「俺たちの旅」が、コミカルなシーンがありながらも全体のトーンとしては重く人生や青春を感じさせられるドラマにあるのに対して、「きっと、うまくいく」は力強く明るいエネルギーを放つ作品に仕上がっているのは国民性の違いだろう。

人が生きている限り、一人一人の人生にドラマがある。
他人の人生や発言に影響を受けながらも、一番接しているのは自分自身の人生だ。

”一度きりしかない人生をどう生きるか?”
このテーマは永遠不変であり、人はこのテーマを根底に生き続けている。

 

 

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