マリアの肖像 – 2


2. 拘束

つまらない社会通念や窮屈な一般常識が彼女の手足に絡みつく。
自由への羨望は彼女の体に絡みつき、鞭を打つ。
とめどもない無常の乾いた拘束が、執拗に彼女の動きを止めようとする。
体と心にまとわりついた重しをマリアは必死に睨み付け、払いのける。

暗い闇の中で彼女は一人考える。

朝の光が白いベッドシーツに柔らかく差し込むまで。

 

(「3. “マリア”は縛れない」へ続く)


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