マリアの肖像 – 3


3. ”マリア”は縛れない

彼女の太ももに刻まれた”マリア”は涼しげに彼女を見つめる。
心の芯まで深く刻み込まれたTatooは、彼女の心に凛とした落ち着きを与え続けているのだ。
そう、マリアの心の中には揺るぎない自信がある。
彼女が誇る”自由“は、瞳や全身、髪の毛の先まで艶を帯び、逆境さえも美しさの糧となっていく。

彼女の白い肌の美しさが、負の暗い闇を溶かしていく。

その光は部屋を抜け、大勢の人々の輪も突き抜け、広大な自然へと光を放ち、彼女の体はそこに溶けていく。

肌に刻まれたマリアの微笑みは、彼女の危なげな行き末さえも夢へと変えてくれる。

(終


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