「俺たちの旅 二十年目の選択」感動のロケ地・仙台に行く

「俺たちの旅」本編には登場せず、スペシャル版「俺たちの旅 二十年目の選択」のみのロケ地・仙台にようやく行ってきた。カースケ(中村雅俊)と洋子(金沢碧)が二度、二人だけで落ち合う場所、仙台は西公園だ。そしてここでの2度目の出会いが、カースケと洋子の永遠の最後の別れとなる運命的な場面のロケ地である。

撮影当時は1995年。もう24年も前だ。公園は整備されたようで、機関車C601も一時は劣化がひどかったようだがその後、現在のようにきれいに整備されている。

私はこの西公園の場所が、俺たちの旅全編を通じて最も印象に残る場所の一つだ。

この場所に着いた時は感激で胸がいっぱいになった。

広瀬川が今も同じ佇まいで静かに流れている。

カースケが洋子に二度目に仙台まで会いに行くシーンを回想してみる。

カースケは、身延山で洋子に”昔のカースケはもっと堂々としていた”と言われたのをきっかけに、社長の座と家族を捨てて、マジョリカ島へ行く決心をする。オメダ(田中健)とグズ六(秋野太作)に”お前はそれでいい”と言われ、二人に”本当にそう思うか?”と念を押し、頷く二人の顔を見て安心する。そして仙台に行き、洋子にも同じことを言ってもらいたくて会いに行ったのだ。最初は家族を置いて一人でマジョリカ島に行くと告げると、再び洋子に反対される。

必死のカースケは洋子に
「行けって言ってくれよ。洋子」
「あなたはカースケじゃないの、って言ってくれよ」
と懇願する。

カースケの心中を察した洋子は、引き留めようと必死の表情を緩め、女神のような穏やかな表情になり、
「これが津村君らしい生き方よ。」
「それでいいのよ」

という。

グズ六とオメダに対してと同じように、洋子に対しても

「本当にそう思うか?」と尋ねると、洋子は穏やかに「そう思う」と答える。

カースケは心底安心して、今度は決意を顔に表し、「じゃあ行くよ」といい、歩き出す。

洋子は何かを観念した様子で、そして大声で”津村君”と叫び、カースケを呼び止める。

振り向いたカースケに向かって思いつめた表情で1歩ずつ近づく洋子に、カースケはただならぬ気配を感じ、表情をこわばらせる。

 

そして洋子はおもがけぬ言葉を口にする。
(詳細は、「俺たちの旅」- 鑑賞記録 – 6.二十年目の選択
参照)
そして感動のシーンが続く。

洋子の涙を流しながらも凛とした表情は、神々しささえ感じる。
私は全編に渡って洋子の最も美しい表情だと思う。

 

カースケは公園の長い道を歩いていく。
このシーンが、カースケと洋子の最後の別れとなるのだ。

現在の公園は整備され、撮影当時とは面影が違う印象だ。

しかし私の中に刻まれたこの強烈なシーンの余韻は十分感じられた。

ようやく実現した仙台・西公園への旅。
静寂な空気は期待を裏切らない感動を与えてくれた。

(終)

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